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マルセイユ


場所:マルセイユ

23時くらいにマルセイユに着きました。まだ、駅構内には、沢山の人がいま した。ここで、夜を明かすつもりで、適当な椅子に横になって眠っていました…。

25時…。誰かが私をゆり起こしています。迷彩服を来た人でした。 軍の人間(※注)のよ うです。今から駅を閉めるとか…。なぬ!?ちょっとまち。こんな時間にどこ に行けというのだ?っと考えているうちに、もう駅の外に追い出されてしまい ました。駅の扉には鍵が…。午前4時に再びオープンするらしい、それだけは ちゃんと確認しておきました。

※注:どうして駅を閉めるのに、マシンガンを持った人間が必要なのだろう?

はて、さて。どうしたものか。駅を追い出されるなんて。しょうがない、適当 に座ろう。でも、何にもやることはありません。追い出された直後は、タクシー が引っ切り無しにやってきて、追い出された人間を闇の向こうへと連れ去って いました。が、今では、閑散としています。

ぼーっと考えていました。一人の男の人がやってきました。でも、その人は、 私の顔を胡散くさそうに 眺めています。しばらく話をしていると、「あんたは頭おかし いの?なんか薬でもやっているんじゃないの?」ってなことを、 ニヤニヤしながら言い 始めました。彼の根拠は、私が顔を両手でパンパンっとやっていたことらしい です…。

そこへ、彼の仲間らしい10人くらいの人が私のところにやって来て、口々に わけの分からないことを言っています。どうやらさっきのと似たりよったりの ことを言っているようです。もう面倒になった私は、「馬鹿にしてるのか?」っ とちょっと怒った調子で言って、制止を振り切って立ち上がりました。

と言っても、どこにも行く当てはありません。彼らと少し距離を置いて、また 座る。はぁ…。暇だし、夜中の散歩でもするかっと、深夜3時のマルセイユの 町を歩き始めました。人っ子一人いません…。心細くなってきました。車は時 折通ります。旧港まで行ってみようとしましたが、途中で 臆病風に吹かれて戻っ て来てしまいました。だって、恐いんだもん。

さっきの彼らは、アルジェリア人なのですが、距離をおいていても、チラチラ とこちらに目線を投げて来ます。また、からかってやろうとでも思っているの でしょう。私は、その視線を無視して、座っていました。そして、待ちにまっ た4時。鍵は解かれました。そして、駅構内でしばらく電車を待って、無事カ ンヌまで帰れましたとさ。

後日、マルセイユには、もう一度来たのですが、昼と夜とでは大違いでした。 人っ子一人いなかった通りもメイン通りで、たくさんの人々でにぎわっていま した。その時は、もうおん出されるのヤだから、ちゃんと夜行でパリへ脱出し ました。

あ、そうそう、アルジェリア人の皆さん。私は、その時始めてアルジェリアの 人と話したのですが、いきなり狂ってるだの、ドラッグなど言わないでぇ…。 しぼんじゃいますぅ。でも、わざわざ薬してそうな人間に近づくか〜?っ と不思議にも思っています。


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