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とうもろこし

場所:ミラノのドゥオモ広場

木が一杯はえているドゥオモを見学し、それを頭に焼き付けた直後でした。

一人の男の人が近づいて来て、突然、私の手を取りました。特に、身の危険は 感じませんでした。だけど、なんとなくヤな予感がしました。彼の取った私の 手に、彼が袋からコーンをぽろぽろっとこぼしました。すると、周りにいた が一斉に、私の手のひらに…。

私は、この状況がどういうことなのか必死に考えようとしました。彼は、何が やりたいのだろう?答えが出る前に、コーンはなくなり、コーンがなくなると、 鳩はすっといなくなりました。

彼は、私に袋に入ったコーンを渡しました。私は、それを受け取りました。彼 は、10,000リラと言い ました。ようやく繋がりました。私は、昂然と「NO」っと言いました。 彼は、要求額を 5000 に落としました。それでも勿論、NO です。

私は、ポケットを探りました。そして、くしゃくしゃになった 1000 リラを取 り出しました。すると、一瞬で、それは奪い取られました。彼は、いらだたし げにもう一枚っと言いました。私は、また NO と言いました。すると、彼は、 どこかに行ってしまいました。

そこには、警官が何人もいました。怪しげに思った警官が近付いて来たのに気 付いて、彼は逃げて行ったのかもしれません。彼が立ち去った後、残 されたのは、危機感と強烈なる不快感 と袋入りのとうもろこしでした。私は、広場の噴水のところに 座って、今起こったことを考えていました。

私の方にスキがあったんだなぁ、と考えました。普段なら、見知らぬ人に手を 取られるようなことはないはずです。反省しましたです、はぃ。

私は、とうもろこしを撒きました。すると、鳩がたくさんやってきました。相 変わらず、なくなると、またどこかに行ってしまいます。私は、もう一度とう もろこしを手のひらに載せて、鳩をたくさん招き寄せました。そして、隣にい た人に写真をお願いし ました…。


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